カサブランカを栽培しよう。球根・冬越し・ド素人でも見事に開花

カサブランカを栽培しよう 土いじり

おばあの一番大好きだったゆりの花。誕生日には必ず花束に入れて贈ったこの花を、いつか自分で育ててみたいと思っていました。

わが家の素敵おばあが他界してから、新居の設計、家の建て替えや仮住まい、引っ越しとバタバタしていましたが、新居でやっと落ち着いて半年。

小さいながらも庭があるので、少しグリーンを増やしていくことに。

難しいと思って覚悟していましたが、長い冬越しを迎えて待てば、素人でも見事に開花させることができましたよ。
もしかすると、おばあが手伝ってくれていたのかもしれません^^;

百合の育て方は、ネットなどでたくさん調べたので、それを自分なりに集約して、開花までこぎつけた軌跡をご紹介します。

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カサブランカとは?

オニユリ テッポウユリ ユリ
カサブランカ 秋のユリ ピンクのユリ

まず、百合の種類には 「ヤマユリ」「テッポウユリ」「オニユリ」「ササユリ」など、たくさんあります。

皆さんも登山や山のお寺の拝観時に、自生しているヤマユリや、なかなかどくどくしい色をしたオニユリなどを見たことがあるのではないでしょうか。

カサブランカはユリ科ユリ属に分類される百合の仲間で、オリエンタル・ハイブリッドという栽培品種の一つです。
日本が原産のユリは15種類の自生種がありますが、それが江戸末期に、ドイツ人医師シーボルトによってヨーロッパに渡り、オランダで品種改良されました。

ユリの中ではかなり大型で、他の百合に比べると強いにおいを発するのが特徴です。

室内に飾ると部屋に甘い匂いが充満します。

球根はどこで買う?値段は?


球根は園芸店や、ネット通販で購入することができます。
30球セットで売られていることもありますが、それなりに植える広さや土も必要になるので、はじめは数株にしておいた方がよさそうです。

ネットだと5株3000円程度のものから、一株2000円しないものまでピンキリです。
なるべく実名の口コミや評価は参考にされてください。

園芸店の来店セールで1株100円などもやっていたりするので、チラシや広告などもチェックしておくといいですよ。

地域の球根販売

地域の公園の球根販売
私がユリの球根と出逢ったのは、10月に開催された地元の秋祭りに出店していた、市のブースでした。
元々活動として、チューリップの球根を積極的に街に植えたり、海外や被災地にも贈っておられたそうです。

秋祭り当日も、花の苗や種、球根などをかなり格安で販売していました。
「ユリの球根200円」と書いてあって、ふと、昨年亡くなった祖母のことを思い出し、ブースの前で立ち止まりました。

そのときは、この値段が格安とも知らないまま、2つ購入し、何度か「これは百合ですよね?」と質問したのを覚えています。
「ユリですよ」と言いながら、保存方法や、育て方も複数のおばさまが丁寧に教えて下さり、ほかも買ったらサービスの花の苗もつけてくれて、いそいそと家に持ち帰りました。

「百合ですか?」は「カサブランカですか?」という意味で、

なんとなく、カサブランカは栽培が難しそうだったのと、祖母はにおいの強いカサブランカより、小さな百合が好きだったかなと思って。

結果的に、この球根はカサブランカだったのですが、花が開くそのときまで、ヤマユリだと思って育てていました。
ユリもカサブランカも、ユリはユリ…(知識不足)質問の仕方が悪かったんですね^^;

球根の購入を考えている方は、地域にこういった団体が活動されているか、調べてみるのもいいかもしれません。
特に10月は植え付け直前なので、広く扱っているお店も多いと思います。

カサブランカの育て方

基本情報

  • オランダで改良されたユリ科ユリ属の栽培品種
  • オリエンタル・ハイブリッド品種のひとつ
  • 球根の植え付け時期は秋頃の10~11月
  • 開花時期は6~8月頃
  • 花は純白で直径20センチほどの大輪を咲かせる
  • その美しさから「ユリの女王」と評される

植え付け

カサブランカの球根
植え付けはプランターに行いました。球根はかなり大きくて、ひとつが直径7センチ程度あった記憶があります。

球根を購入したのが10月の半ば。
購入するとき、ブースの受付の方に「乾燥したらいけないから、早めに植え付けた方がいい」と教えてもらったので、あわてて植木鉢と培養土を購入しました。

一般的に鉢のサイズは、球根の直径の3倍程度あったほうがいいとのことなので、深型の8~10号のプランターを購入。
鉢底石を敷いたら、培養土を10センチ程度入れ、土の表面から球根の大きさ3個分、下に球根を植え付けます。

カサブランカの球根植え付け
複数植え付ける場合は、株間を15~20センチ離して配置します。この時は写真のプランターに対角線に15センチほど離して植え付けました。

ユリの植え付け
上まで土を入れたら、鉢の下から出るくらいたっぷり水をやって、10月20日、植え付け終了です。

冬越し

水やり

冬場の水やりは、土の表面が乾いたらやるようにしていました。

でも表面は乾いたように見えても、結構中はかなり湿気っぽかったりしたので、あまりやりすぎないように気を付けました。
感覚としては、2~3日に1回軽くやるイメージです。

乾燥には耐えられますが、加湿に弱いらしく、葉枯れ病にかかりやすいそうです。
植物は相対的に、水やりが難しいですね。

置き場所

ユリって基本日当たりいいとこが好きみたいですが、日向より、半日陰が好きな種類も結構あるんですよね。
とくに西日を嫌うみたいで、自生しているユリは西日の当たらないところに生えることが多いとか。

私「ユリ」だと聞いて、てっきりテッポウユリ系の葉の細い小さなユリだとばかり思っていて、むちゃくちゃ日当たりのいい南向きに置いていました。
他のプランターとの兼ね合いで西日が当たる場所に移動したことも;;

カサブランカは、明るい日陰を好む種類だと、多くの専門書に書いてありましたが…
まぁ、球根も根も、土の奥深くにいるので、結果的にはなんとかなったのかも。

ちなみに、写真は室外機の隣に置いてますが、稼働させていないので、風などは当てていません^^

不自然な風は植物のストレスになるとのこと。気を付けました。

芽吹き

そろそろ…

植え付けから約半年…
3月末くらいから、そろそろ芽が出ると思い、毎日ソワソワ。

しかし4月1週目を過ぎたとき、もう土の中でだめになってて、芽も出ないんじゃないかと絶望的な日々を過ごしました。
私の住む関西で、雪も降らず、比較的寒さも厳しくない地域で、だめになったとしたら水のやりすぎか。。

悶々と願うように毎日土の変化を見つつ、あきらめかけたある日…

芽吹き
↑でてるー!!!!!

ミョウガみたいな芽 はじっこから芽

↑気付かないうちに、二株とも頭を出していました!なんだか、ミョウガみたい(笑)
ふたつとも等間隔に植えましたが、伸びる過程で曲がったのでしょうね。鉢の端っこから小さく顔を出しています。

ここからの水やりも、気温が上がるまで、これまでと同じ間隔で行いました。
梅雨の時期、雨が続くときだけ、屋根の下へと移動。ここがプランターのいいとこです。

害虫被害

気になっていたのが、虫の被害です。
とくに2020年の関西地方では、兵庫県を中心にアブラムシの被害がかなり報告されていて、夏のせみ取りで木を見たら、アブラムシが交尾している最中といったこともしばしばありました。


なので覚悟して、とにかく植物にはホームセンターで購入した「木酢液」を薄めて、1週間に1度くらいのペースでスプレーしていたのですが、そのおかげ(?)か、ほぼ皆無といっていいほど、虫の被害なく、開花までこぎつけました。


木酢液については、すでに希釈してあるスプレーがあるので、そちらの方が便利です。(少しだけお高い)
私はどの草花にもたくさん使いたかったのでリッターで購入しましたが、かなり多いので使いきれそうにありません。
がんばって使いますが。。

ちなみに猫よけにもと、うたった商品もありますが、猫は関係なく入ってきます(苦笑)

少しずつ生長するカサブランカ
↑4月20日。日が良く当たるように、たまにプランターの向きを変えています。

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開花への道

茎の生長ノンストップ

どんどん伸びる
さて、この時点でもまだ育てているユリが一般的な「ユリ」だと思って疑わなかった私。
だんだんと背丈が伸びて、1メートルくらいのときに、「そろそろ開花しそうだな~」と漠然と思っていました。

風に揺られて折れないように添えていた70センチの支柱をグングン超え…
しかし、待てど暮らせどまだまだ茎は伸びていき、とうとう支柱の太ささえ超えた。

ポキッと折れたら大変だから、支柱を150センチのものに交換。それが5月半ばのことでした。

おっかしいな…まだつぼみもできないなぁ。
茎先を見ながら、毎日増えてく折り重なる葉っぱに、いつまで伸びるのかと疑問符。

つぼみができず葉だけで終わるんじゃ…
つぼみができてからを逆算しても、まだまだ開花時期じゃないんだなぁと。

この子はゆっくり育つ子なのかなと、青々とした葉とどっしりと太く成長した茎を信じて待つことにしました。

葉の形状を見て、テッポウユリでないことは素人目にも明らかでしたが、まさかオリエンタル系だとはつゆとも思わず…
その時も、ワダピン(母)とは「ヤマユリかな?」なんて話していました。

とうとうつぼみ登場

カサブランカのつぼみ カサブランカのつぼみ2

↑6月3日、とうとうちっっちゃなつぼみが登場しました(わかる?)。わーい!

大きくふくらむつぼみ 大きくふくらむつぼみ2

↑3日後、ひとつは5つ、もうひとつは4つのつぼみを付けていることがわかりました。

大きくなってきた蕾
↑7月1日、つぼみらしく生長。

白くなっていく蕾
↑7月7日、つぼみが白く色づいてきました。とうとう開花かも…!!(ワクワクッ)

こんなに大きくなりました
↑7月9日、結局130センチほどに生長したわが家のユリ。

明日咲くか
半分以上が白く色づいてきました。(素人目には、もういつ咲いてもおかしくないと思い込んでいる…!)

ペリカンのくちばしみたい

↑7月11日、ペリカンのくちばしように丸々と太ったつぼみ。
これで咲かんかったら、いつ咲くの!?ってとこまできてる。キテルよ。

開花はとてもしずかに

カサブランカの開花
↑7月13日…早朝、とうとう開花。
雨だったにもかかわらず、暗いうちに開花に踏み切ったようです。

ここまできてようやく、「あれ、ユリ… ユリ… カサブランカ…?!」と、ワダピンと気付きました(おせぇ)

切り花のすすめ

そのままと切り花
元々、祖母の仏壇の横に飾りたいと思っていたので、蕾が5つのものを切り花として、花瓶に生け、もうひとつはそのまま庭で楽しみました。
どちらの方が持ちがいいかも気になったので。

雄花を早く取る 雄しべを取る

できたら花びらが大きく開ききる前に、なるべく早くおしべを取ってしまいましょう。早ければ花粉もつかないので、指でも大丈夫。
おしべを取り除くことで、受粉による体力消耗を防ぎ、長く楽しめます。

もし、すでにおしべが粉をふいていたら、ピンセットかティッシュで、花びらに花粉がつかないように気を付けて取り除いて下さい。
花びらに花粉がついたら、咲いているあいだずっとその汚れたところが気になってしょうがなくなるので、できれば慎重になさってください。

花瓶に生ける
切り花として楽しむ場合は、茎の切り口をナナメに鋭くカットしましょう。
ななめに切ることで、水の吸収を良くし、花もちにつながります。

カットするタイミングは、私の場合、一輪目の花が開花し、次のが追随すると同時に行いました。

ユリ自体のカットの場所は、球根を来年までもたせたい場合は、光合成ができるように葉を残してカットしましょう。
位置は全体の下から1/4とか、半分だとかまちまちですが、自分は自信がないので残す気はなく、あいだを取って真ん中にしました。

いやぁ、我ながら立派なカサブランカに育ってくれました。きっと元気な球根に育ててくださったのでしょうね。
おしべを取ったら、花屋さんでよく見るカサブランカになりました。

庭と切り花、どちらが長く咲いたのか

開花から一週間 開花から一週間(室内)

↑7月20日、左が庭のカサブランカ。右が切り花にしたカサブランカです。

どちらも一週間はほぼ変わりなく凛凛と咲き誇っています。
とくに庭のカサブランカは夏の強い日差しや西日を浴びる日もあったにも関わらず、室内の切り花と変わらない美しさでした。

枯れはじめたのは、10日を過ぎたあたりから徐々に最初の花から。

結局、切り花の方が室内の涼しい温度で管理できたのと、イキイキという栄養剤を水に入れたこともあってか、最後の5輪目(ちよっと奇形で歪んでました)まで楽しめました。
庭のカサブランカはそれより少し早く花びらが茶色く落ちていきました。4輪ですが、どれも大きく立派でした。

イキイキなど、花瓶に入れられる栄養剤は水が腐るのも防いでくれるので、いやなにおいがしなくて重宝しますね。

開花のあとはどうする

花が咲き終わったら、半分以下のところで茎をカットし、定期的に肥料を施し、乾燥に注意しながら球根を太らせましょう。
葉がすべて枯れたら、手で土から球根を取り出し、新しい土に植え付けを行います。

私はなんとなく自信がなかったので、今回はやめておきました。次はチャレンジできるといいな。

まとめ

カサブランカは冬の間、土の中で長く長く茎をのばして、春に芽吹きます。
そのあいだ水やり忘れそうだなって人も、「なるべく」を心がければ、自然の雨も味方してくれるので、きっと春を迎えられますよ。

ユリは夏に咲く花ですが、12月21日の誕生花でもあります。不思議ですね。
プランター栽培なら、ベランダでも栽培できるので楽しいですよ。

ちなみに、カサブランカはやっぱり開花したときにかなりフローラルな香りを漂わせます。
このにおいに虫が寄ってこないかと心配しましたが、意外と庭のカサブランカにもほとんど寄って来ませんでした。

少しでも「チャレンジしたい」と思っている方、今年植え付けて来年の夏、お庭で圧巻のカサブランカ栽培に挑戦してみませんか。
この記事が、これからチャレンジされる方のお役に立てば幸いです。

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Kud
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なんといわれようと必要意外ずーっと家にいたい。
なるべく家でなんとか済ませたいのに、アウトドーアな家族がだまっちゃいない。

もう平穏に家にいさせてくれ。

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